2024-07-09
LINE友だち数・ID連携率向上
LINE連携Shopifyアプリ「CRM PLUS on LINE」導入事例インタビュー
「ちいかわ」公式グッズショップ ちいかわマーケット | 株式会社グレイ・パーカー・サービス
インタビュイー(メイン画像右)
株式会社グレイ・パーカー・サービス WEB事業部 小林 辰也 様
「ちいかわマーケット」をはじめ、グレイ・パーカー・サービスが運営する様々なECサイトのマーケティング施策立案・実行や、オペレーション管理、インフラ整備などを幅広く担当。ちいかわで一番好きなキャラはくりまんじゅう。
インタビュアー(メイン画像左)
株式会社ソーシャルPLUS カスタマーサクセス 中川 藍衣(本案件サポート担当)
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イラストレーターであるナガノ氏が2020年からTwitter(現 X)で連載している漫画作品「ちいかわ」は、ゆるくてかわいい絵柄やストーリーと、ちらりと垣間見えるハードな世界観のギャップが注目を集め、2022年4月からは「めざましテレビ」内でアニメ放送もスタートするなど、国民的キャラとして人気を博しています。そして、「ちいかわ」をはじめとして「ナガノキャラクターズ」「mofusand」「コウペンちゃん」などのキャラクターのグッズ制作および公式WEBショップでの販売を手掛けるのが株式会社グレイ・パーカー・サービスです。
本記事では、株式会社グレイ・パーカー・サービスで「ちいかわマーケット」の運営管理やマーケティングを担当している小林さんに、CRM PLUS on LINE導入後のLINE活用や成果についてインタビューしました。
LINEのスタンプ施策を実施するに至った理由や、実施後の成果、予想外だったことなど、スタンプ施策を中心に具体的な知見が盛りだくさんです!
ちいかわマーケットは、イラストレーターであるナガノ氏がTwitter(現 X)で2020年から連載している漫画作品「ちいかわ」の公式グッズショップです。
私が所属する株式会社グレイ・パーカー・サービスは、「ちいかわ」をはじめとしたキャラクターIPの版権元から許諾を得て、グッズの制作・販売から公式WEBショップの運営までを担っています。
作家さんが築いてきたキャラクターの世界観を大切にすることはもちろん、ストアのお客様に対しても誠実な運営ができるよう心がけています。そのため、値引き・割引などの施策は例外を除きこれまでしていませんし、発売日も事前にSNSで告知したり受注生産も織り交ぜたりと、なるべく公平な入手機会を提供できるようにしています。
ものづくりに心血を注ぐメーカーとして、「いいものを作っているからこそ、ちゃんとお客様に情報として届けねば!」という思いで、SNSでの告知にも力を入れていますね。
2023年8月頃までSNSの中ではTwitter(現X)経由の流入が最も多かったのですが、CRM PLUS on LINEを導入してLINE公式アカウント活用を本格化して以降、LINE経由の流入が圧倒的に多くなっています。
ちいかわマーケットのセッション全体の3割強がLINE経由で、これはTwitter(現X)経由流入数の約3倍にあたります。売上経路をGoogle Analyticsで分析した結果を見ても、LINE経由での売上が全体の約2割を占めています。
ちいかわマーケットのLINE公式アカウントは、商品の発売告知に特化した運用にしているというのも大きいと思いますね。Twitter(現X)で事前の発売予告を行いつつ、LINEでは発売と同時にメッセージを送ることが多いので、LINEで発売告知を受け取ってそのままの流れで購入する方が多いのだと思います。
また、メッセージからのサイトアクセスだけでなく、リッチメニューからのサイト訪問・購入も多いです。最もタップされているのは「ちいかわマーケットTOP」への導線ですが、次いで「新商品」、「再入荷」エリアもよくタップされています。
新商品や再入荷へのアクセスが多いことからも、ちいかわマーケットでの買い物の入口としてLINEを使っていただけているように思います。
「LINEのスタンプ施策 = 友だち数を増やすための施策」というイメージが強いと思うのですが、ちいかわマーケットの場合は「ストアの会員数を増やすための施策」として取り入れたんです。
2023年初頭、弊社では「ちいかわマーケットの会員数を100万人に増やす」という目標のもと、様々な施策を検討していました。一番インパクトを出せる施策は何かと考えた時、「LINEスタンプがいいのでは?」と思いついたんです。ちいかわマーケットでグッズを購入するユーザーと、ちいかわのLINEスタンプをダウンロードするユーザーの層はかなり近いと想像できるので、相性がいいのではないか、と。
そこから情報収集をして「LINEスタンプには、ミッションスタンプという形式もあるらしい」「LINEのID連携には会員登録が必須だから、ID連携をミッションに指定したミッションスタンプを実施すれば、スタンプをきっかけに会員数を増やせるはずだ!」と検討を進めていきました。
実現方法を調べる中で、ちいかわマーケットのサイト構築を支援いただいているコマースメディアさんから「LINEのことならソーシャルPLUS社(CRM PLUS on LINE)に相談してみては」とアドバイスいただき、スムーズにCRM PLUS on LINEの導入が決まりました。
◆第1弾:スポンサードスタンプ
配布期間:2023/10/24〜2023/11/20
期間中の友だち追加:約500万アカウント
◆第2弾:ダイレクトミッションスタンプ(ID連携ミッション)
配布期間:2023/11/21〜2024/2/12
期間中のID連携数:約53万アカウント
うち、新規会員登録者数:約30万人
最終的に会員数を増やすという目的ではありつつも、いきなりID連携のダイレクトミッションスタンプを実施しても、ユーザーからするとやることが多すぎて負担だろうと考えました。
また、スポンサードスタンプはスタンプSHOPに掲載されるオープン形式での実施だったのに対し、ダイレクトミッションスタンプはクローズでの実施を想定していたため、最大リーチ数を確保するためにも、先んじて友だち数の母数を増やしておく必要がありました。
そこで、まず第1弾のスポンサードスタンプは、友だち追加さえすればダウンロードできる、もっともダウンロードのハードルが低いものとしました。
これにより、約500万人ものユーザーにちいかわマーケットのLINE公式アカウントを友だち追加していただけました。
続いて実施した第2弾のダイレクトミッションスタンプは、「LINEのID連携(ちいかわマーケットの会員IDとLINEのユーザーIDの連携)」をするとダウンロードできるというものです。
約53万人ものユーザーがLINEのID連携を行ってくださり、そのうち約30万人は新規で「ちいかわマーケット」に会員登録してくださったユーザーでした。
当時は自分含めて2名で施策を実行していたこともあり、バナーなど制作物のディレクションや告知スケジュールの管理は大変でしたね。とはいえ、スタンプの制作自体は「ちいかわ」作者のナガノさんの描き下ろしで進行できたのでスムーズでしたし、スタンプリリースに関連して必要だったLINEヤフー社との調整や全体の進行管理にソーシャルPLUS(CRM PLUS on LINE)が入ってくれていたので、全体的な進行もスムーズだったと思います。
予想外だったこととして、ブロック率が想定より低い水準にとどまっているのは嬉しい誤算でした。「友だち追加でスタンプダウンロード」系の施策って、スタンプをダウンロードしたら、7〜8割が即ブロックすると思っていたので……。スタンプ配布期間が終わってから4ヶ月経った現時点でも全体のブロック率は5割を切っており、スタンプ施策をきっかけに親和性の高いユーザーと友だちになれたと評価しています。
そうですね。LINEアカウントを使って簡単に会員登録・ログインができる機能も導入したため、スタンプ施策終了後も堅調に友だち数・ID連携ユーザー数共に増え続けています。
事務的に「新商品発売です!」と通知するパターンと、「ちいかわ」らしいセリフを挟んだパターンをABテストしてみて、後者の方が開封率もクリック率も高い傾向にあったので、今はちいかわらしいテイストの通知テキストに寄せています。
作中で登場するセリフや歌を踏襲したテキストなど、ファンの方が思わずくすっと笑顔になってくれるようなメッセージをお届けできるよう、毎回工夫を凝らしています。
最近はリッチメッセージを主に採用し、ひとめで情報を網羅できるようなデザインにしています。
個人的にカルーセルタイプのメッセージはあまり好きではなくて。もちろん色々な商品とリンクを載せられるというメリットはあるのですが、右の方にあるカードほど開封率が低くなっていて、スクロールされていないのがデータとしても見えてきていたんですよね。
「色々な情報をみてほしい!」という気持ちだけでメッセージを作るのは発信側のエゴだと思うので、メッセージ上であれこれ見せようとしすぎず、サイトで色々見て回っていただくきっかけを作るようなイメージで考えています。
基本的に全ての友だちへの配信(手動配信)はLINE Official Account Managerから、ID連携ユーザーに向けた特定条件での自動配信はCRM PLUS on LINEから行っています。
現時点でちいかわマーケット会員の約6割がLINEのID連携も行ってくれているため、セグメント配信を届けられる対象の方もかなり多いです。いわゆる「捨てアカウント」で会員登録されているケースも残念ながら多々あることを鑑みると、有効会員数に対するID連携率は7割以上はあるのではないかと思います。
友だち数もID連携ユーザー数も多いため、「新商品発売の告知を全ての友だちに配信→このタイミングで熱量の高いユーザーは一斉に購入→その後、商品ページを見たりカートに入れたりした後、購入しなかったID連携ユーザーにリマインドLINEを自動配信→リマインドLINE経由で購入」という波ができています。リマインド配信経由の購入率は、カゴ落ちリマインドが約15%、閲覧商品のリマインドでも約3%と高く、費用対効果でみても良い結果が出ています。
実際に購入いただいた後の購入・発送完了通知も、LINEのID連携ユーザーを対象にLINEでお届けしています。安心感にも繋がると思いますし、購入完了通知のメッセージのキャプチャをとって「注文できた!楽しみ!」とSNSに投稿されている声も見かけて嬉しく思っています。
LINEの強みとして即時性(タイムリーさ)があると思います。
今はテレビアニメ「ちいかわ」を放送中ということもあり、その日の放送回に合わせたテーマやグッズの訴求なども行っていきたいのですが……当社側の課題として生産・在庫の確保・物流面が追いついておらず、せっかくサイトに来訪いただいてもお求めの商品が品切れになっていたり配送までお客様をお待たせしてしまったりしているのが心苦しい状況です。
今後はまずそうしたインフラ面を整備しつつ、お客様とのコミュニケーションツールとしてLINEを有効活用することでさらにCRMを強化していければと考えています。
リッチメニューのカスタマイズや疑似チャットボットなど、まだ着手できていないCRM PLUS on LINEの機能も活用していきたいです!
CRM PLUS on LINEは、LINEのID連携促進からID連携を活かしたメッセージまで、サポート範囲の広いサービスです。費用対効果でみても、スタンプ施策の代理店費用など諸経費込みでもROAS1,000%を超えており、大変満足しています。
カスタマーサクセスとして並走してくれる担当の方もレスが早く、確認が難しい依頼をした際でもこまめにリアクションしてくれるので、安心して待つことができて助かっています!
※記事の内容は掲載時点(2024年7月時点)のものです。
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