2025-05-20
LINEパーソナライズ配信
LINE連携Shopifyアプリ「CRM PLUS on LINE」導入事例インタビュー
グロング公式オンラインショップ | 株式会社Ultimate Life
株式会社Ultimate Life
ECマーケティング部 ECサイト課 課長
清水 涯生 様
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グロングでは、CRM PLUS on LINE導入前(別ツール利用時)からID連携を促進していましたが、CRM PLUS on LINE導入でLINE連携・セグメント配信を強化したことで連携ユーザーの年間LTVが15%増加※1 するなど、高い成果をあげています。
本記事では、ROAS※2 400%以下の配信はしないという方針のもと、“誰に何を届けるか”を突き詰めた配信を企画・実施している清水さんにインタビューしました。
LINE連携を強化するに至った背景から、具体的に「どのアプリの・どの機能を使って配信を実現しているか」まで、CRM PLUS on LINEの活用方法として参考になるお話が盛りだくさんです!
※1 過去1年間に購入実績のあるアクティブユーザーに限定し、ID連携しているユーザーとしていないユーザーの年間購入金額で比較。
※2 ROAS:配信の費用対効果を表す指標。メッセージ配信経由の売上額 ÷ メッセージ配信にかかった費用 × 100 で算出。
グロングは、健康づくりを包括的にサポートするトータルスポーツブランドです。「より挑戦者の多い世界の実現」を目指し、プロテインやサプリメント、トレーニング器具の開発・販売および直営ジムの運営などを行っています。
2016年のブランド立ち上げからしばらくの間はAmazonや楽天市場などECモールでの販売が中心でしたが、モールだけではお客様との密なコミュニケーションやニーズの把握が難しいこともあり、自社ECサイトを3年ほど前に立ち上げました。
私は、自社ECサイトの立ち上げ当時からサイトの運営や広告管理運用業務に携わっています。また、現在ではAmazon・楽天市場をはじめとしたECモールでの販促施策などにも関わっており、EC周りの業務を幅広く担当しています。
はい。楽天用のLINE公式アカウント(UL DIRECT STORE 楽天市場店)は別で運用しつつ、GronG(グロング)LINE公式アカウントでは公式オンラインショップとの連携を軸に運用しています。
ただ、お客様がどこで買うかはお客様に選んでいただければよいと考えているので、GronG LINE公式アカウントでAmazonや楽天市場の案内をお送りすることもあります。Amazon・楽天市場への遷移数は、LINE Official Account Managerのカスタムコンバージョン機能を活用して確認しています。
自社ECやSNSでおこなったアンケート結果を含めた分析にはなりますが、「自社ECで買う人は自社ECでしか買わない」というケースは意外と少なくて、4割くらいの方はAmazon・楽天・自社ECのどの店舗でも購入されている傾向がありました。「最初はAmazonで買って、継続購入は自社ECの定期便で」という方も多いですね。特定のチャネルにこだわることなく、各媒体の利点を活かしながらお客様と長く繋がっていければと考えています。
費用対効果はかなり重視しています。お客様が購入した商品や会員ランクをもとにしたセグメント配信が中心で、全ての友だちに同じメッセージを送る一律配信はほぼ実施していません。
具体的には、1配信あたりのROAS(配信費用対効果) が400%以下になる配信は行わないようにしています。
はい。単純に配信通数を増やせばその分売上もある程度は増加すると思いますが、やみくもに配信数を増やすのはお客様目線でも弊社の利益目線でも好ましくないと考えています。
リピーターの方や、会員ランクの高いお客様に向けた配信のROASが高くなる傾向はもちろんあります。
ただ、弊社の扱う商材(特にプロテイン・サプリメント)は一人当たりの年間消費量がある程度決まっていて、リピーターの方や会員ランクの高いお客様ほど購入金額の増加余地が少ないとも考えられます。つまり、「これまで一度も買ったことがないお客様」や「一度だけ買ったけど2回目購入はしていないお客様」に向けた配信も重要です。こうした配信は、年間LTVを踏まえた許容ROASを設定するなど、配信によっては目標ROASの調整をしつつ、基本的にはROAS400%以上を目標としています。
そうですね。以前利用していたツールは友だち数に応じた従量課金制だったので、友だち数が増えるにつれて利用料金が上がっていました。また、配信の費用対効果を上げるためにID連携を促進していたものの、以前のツールではID連携フローにおける離脱が多いという課題も抱えていました。
お客様側で「自社ECの会員登録」と「LINE公式アカウントの友だち追加」を事前に済ませた上で、LINE公式アカウントのリッチメニューからID連携申請(Shopify上で登録した会員情報の入力・照合)を行っていただく必要がありました。仕様上、連携の申請を行ってから、連携完了までにタイムラグが発生してしまい、問合せの増加につながることも課題の一つでした。
CRM PLUS on LINEではLINEログイン機能を使えるため、「自社ECの会員登録をされていない方」も、会員登録・LINE友だち追加・ID連携を一度に完了することが可能になりました。ID連携完了までのタイムラグもなくなり、以前抱えていた課題を解消することができたと感じています。
LINE内での行動(アクションタグ)に基づいた配信や、リッチメニューと自動応答メッセージを活用した施策を中心に行っていました。ID連携者のリッチメニューに「1タップで応募完了~プロテインが当たる」等のボタンを設置して、お客様がリッチメニューをタップしたら応答メッセージでキャンペーンの案内をし、応募してくれたお客様にツール上でタグを付けてメッセージを配信するという施策です。
リッチメニューも自動応答メッセージも無料でできた(追加メッセージの配信料金がかからない)ため、最初は費用対効果が高かったのですが……徐々にキャンペーンの応募数が減っていってしまいました。お客様目線で考えると、LINE公式アカウントを見るのってメッセージが届いた時が大半だと思うので、メッセージが届かないアカウントを能動的に開いてリッチメニューをタップする習慣なんてなかなかつかないですよね。
「追加メッセージの配信料金はかかっても、LINE公式アカウントを開いてもらうきっかけとしてメッセージ配信を行うべきではないか」「とはいえ、やみくもな全配信ではユーザー体験も利益も損なう」ということで、ID連携とセグメント配信を強化しようと考えました。
CRM PLUS on LINEを導入してセグメント配信を強化してからは、順調にLINE経由売上・利益ともに伸びており、良い意思決定ができたと考えています。特にID連携ユーザーの年間LTVは、セグメント配信強化によって15%ほど増加しました。
CRM PLUS on LINEに限らず、Shopifyアプリを選ぶ際には「実施したい施策に必要な機能が揃っているか」という点はもちろん、費用対効果や外部アプリとの拡張性も重視しています。
CRM PLUS on LINEは機能面でのニーズを満たしていましたし、Shopify上にデータを集積する仕組みになっていてFlowアプリにも対応しているので、外部アプリとの拡張性という面でも十分でした。
▼CRM PLUS on LINE 選定のポイント
技術的な面やFlowなど他アプリとの連携も含めて、導入・活用サポートが手厚いのも助かっています。スムーズに実装を進められたことで、ID連携時の導線や販促設計に注力できました。
※3 株式会社Ultimate Lifeの費用対効果を上げるための取り組みや戦略については、下記記事もぜひ併せてご参照ください。
CRM PLUS on LINEの導入前後半年間で、ID連携ユーザー数は1.3倍ペースで増加し続けています。
以前利用していたツールでもID連携は促進していたので、CRM PLUS on LINE導入後に可能になった「LINEログイン」と「購入後のサンクスページでのLINE連携訴求」が主な増加要因だと分析しています。
グロング公式オンラインショップの会員登録・ログインページや、購入後のサンクスページなど、グロングでお買い物する流れで自然にID連携していただけるようになったことが効果的ですね。
Flowでメルマガのステップ配信を組んでおり、各メルマガ内に設置しているLINE友だち追加・連携誘導バナーから一定の連携数増加に繋がっています。また、セール開催時に「ID連携クーポンでさらに〇%OFF」の訴求をおこなった際は反響がよく、1週間で400人以上の方にID連携いただけたこともありました。
リッチメニューはID連携がされているかどうかで出し分けており、未連携ユーザー向けには連携方法や特典などを自動応答メッセージで案内しています。
ID連携を活用した配信としては、主に下記の3パターンです。
CRM PLUS on LINEだけで実施できる配信にも様々なものがありますが、各種リマインド配信が特に効果的で、配信経由の購入率は閲覧商品リマインドが約6%、カート落ちリマインドとチェックアウト落ちリマインドが約25%(2025年1〜3月の平均値)と高いです。
CRM PLUS on LINEを通じてID連携された会員には自動で「line」という顧客タグが付与されるので、この「line」タグを活用してワークフローを作成しています。Shopify上にLINE連携者のデータを集約できるため、配信の自由度が高いのが魅力です。
CRM PLUS on LINEとFlowの組み合わせで実施している配信例を3つご紹介します。
まずは会員登録完了後のメッセージです。会員登録をトリガーにして、「LINEのID連携がされていて、かつ注文数が0(未購入)の方」に、プロテインに関するコラムを配信しています。
プロテインの種類を選ぶのも難しいですし、好みのフレーバーかどうかも重要ですよね。グロングでは、好みのフレーバーに気軽に出会っていただくための各種トライアルパックもご用意しています。
トライアルパックに使える初回クーポンは、LINE公式アカウントの友だち追加特典としてご案内しており、「ID連携していて、かつトライアルパックを未購入の方」を対象にしたリマインド配信をFlowで実施しています。
さらに、トライアルパックを購入いただいた方には、「どの風味(フレーバー)から試すか」を選ぶための診断チャートコンテンツを配信しています。
「VIP - 会員プログラム」を活用して、ポイントの付与通知や会員ランクの変動通知などを配信しています。
CRM PLUS on LINEも「VIP - 会員プログラム」もFlowに対応している(Flow上で使えるトリガーやアクションを提供している)アプリなので、連携がスムーズでした。
お客様が過去に購入した商品や会員ランクなどを参照し、一般的なRFM※4 の指標とも照らし合わせながら企画しています。直近購入履歴がない方を中心に、「こういう商品を発売しました」「こういうセールやってます」というメッセージを配信することが多いです。
新商品にも様々な種類があるので、過去購入データを元にマッチしそうな方だけに配信することもあります。例えば、トレーニング用品の新商品告知は過去にトレーニング商品を買っている人にだけ配信したり、よりハイパフォーマンスを求める方向けの商品( WPI ハイプロテイン など)は、過去に類似商品を購入したことがある方だけに配信したりしています。
直近半年ほどは、Shopifyアプリ「ECPower」を活用してセグメントを作成したり分析したりしています。
例えば下記画面では、LINEのID連携がされていて、かつ特定期間内に購入履歴がないセグメントを作成しています。
セグメントの顧客数やLTVなどの基本データをECPower上で簡単に確認できますし、「このセグメントに向けてメッセージを配信しよう」となったら1クリックで顧客タグに反映可能です。
「データを分析する→施策に落とし込む」という流れを、現場のメンバーがさっと手を動かして実行できるという点でとても重宝しています。
※4 RFM:顧客の最終購入日(Recency)、購入頻度(Frequency)、購入金額(Monetary)の3つの指標を用いて顧客をグループ分けする分析手法。
ID連携の促進と、ID連携を活かした配信ワークフローの構築により一層取り組んでいきたいと考えています。
これまではCRM PLUS on LINE導入時(2023年8月頃)に設定したID連携導線のみで連携数を伸ばしてきたのですが、特に追加の施策を実施してなくても月間数百人以上のペースで連携数が増え続けているため、まだまだ伸び代があると考えています。
ID連携を活かし、ポイントプログラムと連携した条件分岐や特定商品を購入いただいた後のメッセージ配信など、よりお客様のニーズを細かく反映した施策を実施していきたいです。
ジムの店頭でもプロテインの試飲・販売を実施しているので、将来的にはジムとオンラインストアの購買データを連携できる環境を整えたいと考えています。お客様の声とデータを元に、グロングが目指す『より「挑戦者」の多い世界の実現』に向けて、お客様の継続利用をよりサポートしやすい仕組みを作っていければと思います。
※この記事の内容は、2025年3月に実施したインタビューに基づいて作成しました。
※記事の内容は掲載時点のものです。
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