2024-04-18
LINEパーソナライズ配信
LINE連携Shopifyアプリ「CRM PLUS on LINE」導入事例インタビュー
HEAVEN Japan 公式オンラインショップ | 株式会社HEAVEN Japan
インタビュイー
株式会社HEAVEN Japan
取締役/最高執行責任者
今川 浩志 様
HEAVEN Japanのマーケティンググループにて、EC運営を4年間実践した経験を活かし、2019年にDX(デジタル変革)グループの立ち上げメンバーに。CRMやOMSといった自社の基幹となるシステム開発を担い、お客様の体験(CX)をさらに高めるためのデジタル変革を推進。2024年2月にはマーケティングDX事業部を立ち上げ、自社の強みのマーケティングと技術力を活かし、横展開を目指して奮闘中。 2024年4月より取締役/最高執行責任者に就任。
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HEAVEN Japanは、「快適な着け心地」「バストの形を整える機能」「服を着たときの立体感」すべてのこだわりを叶える「適正下着®」を製造・販売しています。
HEAVEN Japanの今川さんは、Shopifyマーチャントの中でも有数の「Shopify Flow」の達人です。「CRM PLUS on LINE」とワークフローの自動化アプリ「Shopify Flow」を組み合わせることで、実に様々なメッセージ配信を自動化しつつ行っています。
本記事では、目からウロコなLINE配信の実践例から、HEAVEN Japanが追っている独自指標 “ FTV “と、その達成のために行っている施策まで、現場の知見をたっぷり伺いました!
HEAVEN Japanは2003年にオンラインショップから始まった女性下着ブランドです。2016年より直営店舗「試着体感サロン」を東京・青山、大阪・心斎橋にオープンし、今年度はポップアップ店をたくさん展開していく予定です。
HEAVEN Japanでは、「下着でこんなに変わるんだ!」という驚きと感動を体験いただくため、長年の蓄積されたデータを元に、お客さま一人ひとりのなりたい理想の体形を叶える「適正下着®」の開発に日々取り組んでいます。
「補整下着」というジャンルがあるのですが、これらは「下着に身体を合わせることで綺麗に見せる」というものが多いです。一方、私たちの「適正下着®」は、「身体に下着を合わせることで、人それぞれのお悩みを解決し、その人が思うキレイを実現する」ことを目指しています。
この実現のためには、女性ひとりひとりの悩みや目指したい姿への深い理解と、それを製品に反映する技術力、そして直接お客様に伝えるための工夫が必要です。LINE公式アカウントの運用を開始したのも、この「直接お客様に伝える」手段として、日本ではLINEが一番ポピュラーだと思ったからです。
今年3月時点のShopify(ECサイト)上だけで、リピーター比率は60%以上あります。他チャネルと合わせるともっとあるかもしれません。購入半年以内のリピート率は25%ほどです。
もちろんリピート率も見ていますが、一番重要視しているのは「FTV」という独自の指標です。一般的なEC用語「LTV( Life Time Value | 顧客生涯価値)をアレンジしたもので、「Family / Friends Time Value」、つまりは「1人のお客様が、家族や友人も含めてどのくらいHEAVEN Japanをご愛用いただけるか」を指しています。下着を購入するにあたって、信頼できる口コミがあるかどうかの影響力ってかなり大きいですから。直近では、この指標を簡単に見れる仕組み作りも進行中です。
EC事業に関わっている皆さんには共感してもらえると思いますが、年々広告のCPAが上がっている実感もありますし、口コミが集まったり親しい人に紹介されたりということがますます大事になってきていると思います。
やはり一番影響力があるのは身近な人の口コミなので、その施策として「スマイルリレープログラム」という企画を行っています。
これは紹介した方・紹介された方の双方にポイントをプレゼントするというプログラムです。一連の流れを案内するページの中で、LINE連携特典のご案内もしています。
LINE連携いただけた方には、紹介した方・紹介されて購入した方それぞれにLINEでメッセージをお送りしています。
ワークフローの自動化アプリ「Shopify Flow」と「CRM PLUS on LINE」を組み合わせて実現しています。
実際に「Shopify Flow」で設定しているワークフローは下記キャプチャのようなイメージです。2つのワークフローをリレーション(連携)させています。
Shopifyって本当にローコード、ノーコードで色々できますよね。「Shopify Flow」に初めて出会った時も衝撃でした。「なんやねんこれ、面白すぎて寝れらへんやんけ!」と(笑)
ワークフローの構成要素は大きく分けると3つで、「トリガー(何をきっかけにワークフローを実行するか)」と「条件」と「アクション(条件に当てはまった人に何をするか)」です。
スマイルリレーのSTEP1のワークフローでは、紹介した方・紹介された方にそれぞれポイントを付与し、紹介した方にはお礼メッセージを、紹介された方にはWelcomeメッセージを配信しています。
◆スマイルリレー(STEP1)のワークフロー
続いてSTEP2のワークフローでは、スマイルリレーで紹介された方が4000円以上購入いただいた場合に、追加でポイントを付与し、LINEでお礼メッセージを配信しています。
◆スマイルリレー(STEP2)のワークフロー
CRM PLUS on LINE経由で配信するメッセージにはFlexメッセージを使えるので、配信するメッセージのデザインに制限がないのもいいですね。
実店舗(試着体感サロン)の来店・購入をトリガーに、当日20時にGoogleマップのレビュー依頼をCRM PLUS on LINEで配信するワークフローも「Shopify Flow」で組んでいます。
▼この施策の詳細は、下記のHEAVEN Japan公式noteにて紹介されています!
【HEAVEN Japan試着体感サロン】Googleマップのレビュー記入率が980%アップ。DXチームでShopify Flowを活用したフローの自動化を実施。
前章で紹介した「スマイルリレー」の施策では、3ヶ月で230人の方に新規会員登録いただけました。ロイヤルティの面でも、紹介された方の方が高くなる傾向がありました。
◆紹介された方の購入傾向
また、しばらく購入されていないお客様(休眠顧客)へのLINE配信フローも組んでいて、この配信はかなり成果が良かったです。CPA※を計算すると約17円でした。
内容としてはポイントの失効前通知ですね。HEAVEN Japanでは様々なポイントキャンペーンを実施しているのですが、お客様から「どのポイントがいつ切れるのか分からないです」と問い合わせが来たのをきっかけに設定したものです。
※ここでは「LINEのメッセージ配信にかかった費用 ÷ 配信経由の売上」で算出。
◆ポイント失効前通知をLINEで送るワークフロー
昨年12月から実施した「20周年大感謝祭」企画内の「歳末・新春 運だめし宝くじ」の当選通知もLINEで送りました。注文番号の下3桁で抽選して、LINEで当選通知を送るという一連の流れをワークフローで実現しています。
また、下記はLINE活用関連ではないのですが、在庫が任意の値を下回った時に社内向けに通知するためのワークフローです。このように、お客様に向けたメッセージ配信だけでなく、社内向けの通知やデータ更新、リスク注文の管理などにも「Shopify Flow」を活用しています。
Shopify純正の機能で完結するワークフローはもちろん、「CRM PLUS on LINE」などShopifyアプリと連携させる場合でも、アプリ側にShopify Flowの「トリガー」と「アクション」機能が備わっていれば、大体どんなワークフローも実現できるのがいいですね。
「Shopify Flowに対応しているかどうか」を軸に導入するShopifyアプリを選ぶと、将来やりたいことが増えても概ねなんとかなるのではないかと思います。
実施する施策には、基本的に全てLINE連携を組み込むようにしています。例えば「スマイルリレープログラム」にも「LINE連携で500ポイントプレゼント」の案内フローを入れていますし、「歳末・新春 運だめし宝くじ」の参加条件にも「会員登録とLINE連携」を入れていました。
こうした案内を続けていると、会員の方がLINEのID連携もしてくれる機会も増えるので、地道な積み重ねで「会員の9割以上がLINEのID連携済み」という状態をつくれていると思います。
店頭POPやお渡しするチラシに、LINEログインで会員登録ができるQRコードを掲載しています。QRコードの発行にもCRM PLUS on LINEの機能を使っています。
ただ、店舗経由の登録・売上にノルマなどは課さないようにしています。もちろん店舗で購入もしていただけるのですが、「試着体感サロン」の名前の通り、あくまでメインは試着して体感する場所であるということを大切にしています。
やはりCRMの強化が欠かせないかと思います。「CRM」という言葉は、色々な意味で流行ってはいますが、「それ、ただの名簿になってないですか?」ということを問い続けていきたいですね。必要なデータと紐づけてこそ、お客様ひとりひとりに合わせた提案ができるはずなので。
HEAVEN Japanは、これまで長年の蓄積されたデータを元に、お客さま一人ひとりの願いをかなえる「適正下着®」の提案と開発に日々取り組んできました。これからも商品開発だけでなく、お客様への提案・関係構築にもデータを活用していけるよう、挑戦を続けていきます。
※記事の内容は掲載時点(2024年4月時点)のものです。
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