2024-03-15

店舗・EC LINE連携

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LINE連携Shopifyアプリ「CRM PLUS on LINE」導入事例インタビュー

店舗スタッフの目線に立ったオペレーション周知が肝!PAPABUBBLEに学ぶ EC・LINE連携会員証施策の導入・効果測定の実践

PAPABUBBLE(パパブブレ)公式オンラインストア / 直営店舗|株式会社PAPABUBBLE JAPAN

https://papabubble.co.jp/

インタビュイー

株式会社PAPABUBBLE JAPAN デジタル室 シニアマネージャー 林 佑磨 様

2021年より現職の株式会社PAPABUBBLE JAPANに入社し、
EC、CRM、DXの領域を担うデジタル室シニアマネージャーに就任。
楽天やアマゾンの新規出店をはじめ、ECと公式サイトの統合リニューアルや、Shopify Plus・スマレジ・LINEを活用したOMO施策等を実施し、PAPABUBBLEのファンを増やしていっています。

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PAPABUBBLE(パパブブレ)は「ワクワクしなくちゃ、お菓子じゃない。」をミッションに、キャンディなど様々なお菓子を製造・販売しているブランドです。
日本第一号店が2005年にオープンし、2018年頃にECサイトもオープンしました。

「店舗からスタートしたブランドの、ECとの会員連携」における、
仕組みの導入から現場でのオペレーション定着に至るまで、必見の取り組みが満載です。

LINE会員証施策を導入した後、ちゃんとお客様に使ってもらうための工夫が知りたい!」という方におすすめの記事ですので、ぜひご一読ください!


※この記事の内容は、2024年3月に実施したイベントに基づいて作成しました。

PAPABUBBLE 基本情報

この記事のポイント

右:株式会社PAPABUBBLE JAPAN 林様、左:株式会社ソーシャルPLUS 川井

PAPABUBBLEのファンは店頭で生まれる!
「店頭で・最短で」を目指したLINE会員登録で、店舗・ECの会員一元化を実現

ー PAPABUBBLEは店舗からスタートし、後からECもできたブランドですよね。どういう経緯で店舗・EC連携をしようと考えたのか教えてください。

コロナ禍の影響もあり、「店舗・EC・ブランドサイトが完全に独立してしまっていて、PAPABUBBLEのファンの方がどういう購買行動をしているのかが全くわからない」ことへの課題感が高まったのが一番の理由です。

PAPABUBBLEはバルセロナ発のブランドで、日本第一号店は2005年にオープンし、現時点(2024年)では21店舗を展開しています。ECサイトができたのは2018年頃だったので、店舗だけで販売していた期間が13年ほどあります。

店舗ではショーのように職人さんの製造過程を楽しめたり、実際にキャンディカットを体験できたりするキャンディパフォーマンスも実施しており、店舗でのワクワク感を体験価値としてとても大切にしています。実際、PAPABUBBLEのファンになってくれているお客様は、この店頭でのパフォーマンスを見てくださっている割合がとても多いんです。

一部PAPABUBBLE店舗では、キャンディづくりの様子を間近で見ることができる

店舗では紙のポイントカードを使っていて、もちろんポイントを貯めて使っていただくことはできるんですけど、それ以上のこと…例えば、店舗で購入していただいた方にメールでご連絡するなどは一切できない状況でした。ECサイトとブランドサイトも完全に独立していましたね。

コロナ禍を経て、PAPABUBBLEブランド全体としてどう成長していくかと考えた時に、「店舗で買った人へのアプローチ手段がない」「ファンの方々がどういう購買行動をしているのか把握する術がない」というのは大問題でした。

そこで取り組み始めたのが、いわゆるOMOの施策です。

バラバラになっていた店舗・ECサイト、そしてブランドサイトも統合し、かつ店舗来店客の会員化を促進することで、PAPABUBBLEのファンの方々のことをもっと深く知り、よりPAPABUBBLEをご愛用いただけるような施策を打てる体制づくりを目指しました。

ー 具体的には、どのように検討を進めていったのでしょう?

店頭でのパフォーマンスをきっかけにファンになってくださる方が多いので、店頭での会員化をいかに促進するかを最も重要視しました。

PAPABUBBLEの店舗は独立店舗だけではなく、大丸東京店など人通りが多く混雑する店舗もあるため、レジでいちいちメールアドレス・名前・パスワードを入力いただく仕組みはあまり現実的ではありません。商品の価格帯と客単価の観点からも、レジの回転率を高く維持することは重要です。

そこで採用したのが、CRM PLUS on LINEのLINEログイン機能を活用した会員登録フローでした。(下図)

PAPABUBBLE 店舗からの会員登録フロー

登録フォームではメールアドレスしか取得しておらず、メールアドレスはLINEに登録されている情報をフォームアシストできるので、お客様は画面をタップするだけでスピーディーに登録を完了できます。

登録の簡単さと、会員登録完了時にお渡ししているキャンディプレゼントの効果もあり、施策スタートから約2ヶ月時点で、店舗来店者の7割が、LINEから会員証を登録・提示してくれている店舗(大丸東京店等)も出てきました。

PAPABUBBLEさんは、どの店舗に行ってもこの会員登録フローの案内が徹底されている印象です。

そしてECサイト自体のリニューアル(Shopify Plusへの移行)も並行して行っていましたが、本施策のリリースも約2ヶ月ほどで実現されていました。このスピード感で高い登録率を実現できた秘訣を、次章で詳しく伺わせてください!

店舗スタッフの目線に立ったオペレーション周知が肝!
日別の登録数共有で、店舗ごとのモチベーションもアップ

LINEログインを活用した会員登録の仕組み自体は、Shopifyアプリのインストールとサイト上での実装で導入できますが、「実際にお客様に登録していただく・使っていただく」という意味では店舗スタッフのオペレーションが極めて重要です。

店舗スタッフと協力するために実施した取り組みとしては、大まかに下記4点です。

PAPABUBBLLE:取り組みのポイント4点

ー まず1点目の「なぜ今この取り組みをするのかの意図や詳細を共有するために説明会を実施し、開始前に不明点を解消した」と、2点目の「店舗を管理するエリアマネージャーへの協力依頼および管理体制を強化し、サポート環境を整えた」について、詳細を教えてください!

現場での具体的な案内の方法を伝えるのももちろん重要なのですが、まず前提として「なんで会員登録を促進していかないといけないか」とか、「ブランドにとって会員がいるメリットとは何か」とか、根っこの思想まで理解して協力いただくことが重要です。

そこで、文章だけの通達で終わらせるのではなく説明会も実施したり、私から直接伝えるのではなく、普段から現場でコミュニケーションをとっているエリアマネージャーの方たちから伝えてもらったりしました。全員が理解するまで、1〜2ヶ月ぐらいのスパンで説明会やQ&Aの場を設けて、とにかく全員が不安のない状態でお客様にご案内できるようにしました。

その具体的な手段として、3点目の「店頭での案内方法や、実際の登録画面はどうなるのかが伝わるムービー等を作成し、イメージを湧きやすくした」があるわけですね。

はい。「明日からこの登録フローを案内してください」といきなり言われても、すぐにはできない方も多いですよね。接客のシミュレーションも事前に共有して、「どんな感じでお客様に対してアプローチしていって、こういう時にお声掛けするんだよ」というところまで、オペレーションとして解説ムービーに落とし込んでいきました。

ムービーのパターンとしても、店頭でご案内する用・お会計の時にご案内する用など用意して、「こういう時どうするの」となった時にすぐに疑問を解消できるように工夫しました。

PAPABUBBLE:スタッフ向け 会員登録の案内方法の解説ムービーより一部抜粋

もちろんムービーを共有するだけでなく、スタッフ全員が実際にQRコードから自分で会員登録してみて、どんな感じで会員登録されるのかも体験してもらっています。実際にやってみて「確かに簡単だ!」と思えたら、お客様にもおすすめしやすいですよね。店舗のスタッフがおすすめしづらくなるような障壁はなるべく取り除くのが大事だと、今ふりかえっても思います。

この資料を見ると、もし自分が実際にバイトだったとしてもできそうだと思えます。このレベルで目線を合わせているからこそ、安定したオペレーションが実現できているのですね。

最後の「日次の会員登録数を更新することで、自店や他店の状況を把握でき、登録率が高い店舗からのノウハウを共有できるようにした」については、どのように管理されているのでしょう?

日単位で「どこの店舗で何人会員登録いただきました」ということを全員に対して共有しています。数字の更新は基本的には私が毎日行っています。

実際のシートのイメージは下記です。

PAPABUBBLE:日別の会員登録数のレポート(店舗ごとに集計)

目標数は定めてはいるのですが、厳密にノルマというわけではなくて、「過去のデータから見るとこの日はこれぐらい会計数が予測されるから、このくらい会員登録数を増やせるといいよね」といった指標を出すのに活用しています。

ブランド単位ではなく各店舗単位で会員数を把握することで、「うちの店舗でこの会員数達成したから、何かキャンペーンを打とうか」とか、「実際に来店してくださったらどうおもてなししていこうか」と、店舗主導で企画するモチベーションにも繋がっています。

LINEのメッセージ配信の予定も同じシートで共有しているので、「この日に新商品のLINE配信がされるから、店舗でもこの商品について聞かれるかも!どうおすすめするか考えておこう!」などの連携もできており、「LINEで会員登録を促進したら、実際に店舗の売上にもつながる」感覚を持ってもらえてるのではないかなと思います。

計測はどのように行っていますか?

CRM PLUS on LINEの「LINEログインからの会員登録時に登録経路を取得できるQRコードを発行」する機能を活用しています。

店舗ごとに独自のQRコードを発行でき、そのデータが自動で顧客タグや顧客メタフィールドに反映され、登録経路ごとの集計も手軽に実施できます。

【登録経路を取得できるQRコードを発行】活用ガイドページより

今後はLINE会員30万人とつながり、さらなるブランド成長へ

最後に、今後の展望について教えてください!

これまでは「PAPABUBBLE全体でどれくらいの会員の方がいるのか」が分かっていなかったのですが、今回の取り組みを経て何万人ものファンの方々がいるということが分かりましたし、今後も増やしていきたいと考えています。

より強化していきたいのは、お客様のロイヤリティを高めていく取り組みです。商品の味には自信があるので、店舗でパフォーマンス・接客・コミュニケーションなどの体験にも満足していただいて、また店舗やECにも来ていただけてというサイクルをしっかり作っていきたいですね。

また、LINEを活用した会員数の目標も、さらに伸ばしていく方針です。PAPABUBBLEのLINE公式アカウントでは、2023年6月のスタート以来、毎月2万人以上のお客様とつながることができています。今後も3月末で20万人、8月末で30万人と伸ばしていく目標です。

PAPABUBBLE:社内資料より

もちろん接点を持てただけで終わりではありません。リピーターになっていただくにはどうすればいいか、会員プログラム(メンバーシップ)はどうあるべきかなどの改善も続け、ファンの皆様と一緒にPAPABUBBLEというブランドを育てていきます!

お話しいただきありがとうございました!

参考情報:PAPABUBBLEにおけるEC・店舗(POS)・アプリ構成図

※記事の内容は掲載時点(2024年3月時点)のものです。

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