2023-07-12
店舗・EC LINE連携
LINE連携Shopifyアプリ「CRM PLUS on LINE」導入事例インタビュー
育てるタオル 公式online store | 表参道showroom
インタビュイー
株式会社 英瑞 公式online store店長 青木 凌 様
株式会社 英瑞 表参道showroom店長 𠮷田 寛子 様
※全て取材(2023年6月)時点
※LINEのID連携率:LINE公式アカウントのターゲットリーチ数に対する、LINEのID連携者数の割合。どの友だちがどの会員かを特定できている割合。
育てるタオルは10年前(2013年)に生まれたブランドです。最初は百貨店や小売店への卸売と、自社ECがメインでした。
その後、事業の拡大に合わせて2021年に自社ECをShopifyでリニューアルしました。Shopifyを選んだ一番の理由は、変化に耐えうる拡張性の高さです。Shopify自体のアップデートも非常に多いですし、Shopifyアプリを導入することでやりたい施策をスピーディーに始められるのも魅力でした。
自社ECのリニューアルと並行して直営店舗オープン準備も行っており、2020年に直営店舗をオープンしました。
そうなんです。事務所の移転に合わせて直営店舗のオープンを計画していて、たまたまタイミングが被ってしまいました。外出を控える動きが出てくる中で、店舗だけではお客様と築ける関係性に限界があると思い、店舗で買ったお客様にECでリピートしていただくなど、店舗とECを行き交うような仕組みがつくれないかと考えました。
直営店舗のオープン時点ではポイントカードも紙で運用していて、自社ECと店舗でのお客様データは完全に別々になっていました。
「まずは店舗のポイントカードだけデジタル化してみて、様子を見てから次のステップとしてEC連携もしよう」という話もあったのですが、「ゆくゆくやるなら、今EC連携までやっちゃおう。店舗とECで共通のポイントがつく方がお客様にとっても嬉しいはずだ」と考え、ポイントカードのデジタル化と店舗・EC連携を同時に進めることにしました。
情報収集を進める中で、ポイントカードや店舗・ECの顧客データ連携とは別軸で検討していた「LINE公式アカウントでのお客様へのアプローチ・コミュニケーション導入」も、「CRM PLUS on LINE」を使えば一緒に進められると分かったからです。
初めは他社のLINEミニアプリのみ提供しているサービスも検討していたのですが、ポイントカードをデジタル化できるだけで、店頭とECのデータ連携はできなかったんです。「CRM PLUS on LINE」と「Omni Hub」を使うと、店舗・EC共通のポイントカードの発行とLINE連携ができると知った時は、「これしかない!」と思いました。
これまでは見れていなかった、店舗とECを横断したお客様の流れが見えるようになりました。データを見るまでは漠然と「最初は店舗で買っていただいて、その後ECでリピートされることはありそう」と想像していましたが、実際にデータを見てみると、最初にECで買って、その後来店されることもあると分かりました。ECから店舗への動きはあまり想定できていなかったので、この機に新しい施策を検討してみようと考えています。
ポイントカードのデジタル化により、貯めたポイントを1ポイントから使えるようになったことも、お客様に喜んでいただけています。「ギフト用に購入した際についたポイントを使って、自宅用にも買う」というシーンも見かけるようになりました。
さらに、購入された方の多くが会員登録とLINE連携をしてくださるようになったので、育てるタオルのお客様像がよりクリアになりました。購入されたシリーズ別のLINE配信なども可能になりましたし、LINEを入り口にサイトを訪問してくださるお客様も増えて、育てるタオルとお客様の身近な接点が一つ増えたと感じています。
※LINEのID連携率:LINE公式アカウントのターゲットリーチ数に対する、LINEのID連携者数の割合。「どの友だちがどの会員か」を特定できている割合。
LINEログインはお客様の利便性が上がるので導入したかったのですが、安全に導入するにはShopifyのプランをShopify Plusにする必要があると知り、「LINEログインを使えばもっとお客様の登録の手間をなくせるけど、さすがにまだShopify Plusを使うフェーズではないよね」「Shopify Plusを余裕で使いこなせるくらいブランドが成長するまでは、知恵と工夫でやっていこう」と話し、LINEログインは使わずにID連携を促進する設計を考えました。
育てるタオルはギフトとして購入いただくことが多いので、店頭ではラッピング待ちの間に椅子にご案内し、店頭POPをお見せしながら登録方法を説明しています。
ラッピングが不要の場合でも会計前にお声がけするようにしたり、お時間がないお客様にはレシートのQRコードからポイントを後付けできますと伝えたりしています。
会員登録って「また来るかも」と思わなかったらしないものだと思うので、しっかり店頭で商品選びをお手伝いさせていただいた後で、なるべくお客様の時間を余分にとらせてしまわないようにと考えて、今の案内方法とタイミングになりました。
会員登録とLINE連携を分けて説明していないので、お客様にとっても流れが分かりやすいかなと思います。「まずは会員登録をして、その後LINE連携してください。それぞれの手順はこうです」という説明よりも簡単に見えますよね。
とはいえ、LINEに関してはこちらから説明する前に「さっき友だちになりました!」と言われるケースも多いです。会員登録より先に友だちになってくれているので、それだけLINEがお客様にとって身近なものなのだと感じています。
ギフトとして購入される方が多いので、購入した方のデータを頂いても、それに応じた情報をお渡しできるわけではないんです。例えばお客様の誕生日を取得して誕生日クーポンを配信しても、そのお客様が購入したいタイミングは自分の誕生日ではなく、プレゼントを贈りたい誰かの誕生日ですよね。記入いただく情報は「育てるタオル」からお客様に何かしら価値を還元できるものだけにしたいので、今はシンプルに名前とメールアドレスだけ記入いただいています。
紙のポイントカードを廃止するタイミングで、デジタルのポイントカード普及キャンペーンを行っていました。会員登録とLINEのID連携で10%OFFというキャンペーンです。
私たちの予想以上に登録・連携してくれるお客様が多くて、キャンペーン期間中に購入された方はほぼ全員がID連携まで行ってくれました。キャンペーンの終了期限は決めてなかったのですが、あまりに連携されるので「このままでは月の売上の10%が消える……!」ということで数ヶ月でキャンペーンは終了しました。
キャンペーンがなくなった後も、安定して6〜7割のお客様が会員登録とID連携をしてくれています。
店頭POPと同じデザインで、会員登録とID連携の方法とメリットをお知らせするページを作りました。
ECでは特にキャンペーンは実施せず、購入後のお客様にLINE連携のメリットと方法を知っていただけるような導線をつくりました。「購入手続きへ」のボタンを押した後に「ID連携までしたらこんなメリットがあります!」というお知らせモーダルを出したり、購入後のサンクスページにLINE連携のブロックを表示したりしています。
モーダルは制作会社に依頼して作成してもらいましたが、サンクスページは「CRM PLUS on LINE」の機能を使って簡単に設定できました。
「とにかくLINEで繋がっておきたい」という企業目線での接点設計にはせず、あくまでお客様自身が育てるタオルと長く付き合っていきたいと思っていただけた時、便利な接点としてLINEを活用できればと考えてこの設計にしています。
例えば、LINE連携いただいたお客様には購入のお礼メッセージを送っていたり、ECでお買い物いただいた際には発送完了メッセージを送っていたりしますが、これらは一般的に直接売上に結びつくものではありません。しかし、「商品は発送されただろうか」と不安な気持ちをLINE通知で減らせて、良いギフト体験ができたなら、「次もまた買おう」という気持ちにつながるはずです。
大まかにメッセージ配信の仕組みを説明すると、LINE連携者へのメッセージ配信はCRM PLUS on LINEを、LINEのID未連携者を含む友だち全員へのメッセージ配信はLOAM(LINE Official Account Manager)を使っています。
お客様が受け取って嬉しいメッセージかどうかを重視し、なるべく全配信ではなく、「CRM PLUS on LINE」を使ったセグメント配信を中心にお送りしています。
まず、前章の最後に触れた「購入のお礼メッセージ」や「発送完了のお知らせメッセージ」は、店舗・ECで内容も配信タイミングも分けて送っています。1回目の購入か2回目以降の購入かでも内容を変えています。
店舗で購入された方には来店の当日に、ECで購入された方には出荷から1週間後にお礼とレビューのお願いを送っています。
来店された方は実際に店舗で手触りなどを確かめていただいて、価値を実感した上で購入いただくことが多いですが、ECで購入された場合はギフトの受け取り手が受け取って、贈り主に感想を伝えるまでは価値を評価できないはずです。価値を実感する前にレビューの依頼が来るのは体験としてあまりよくないので、ECと店舗で配信タイミングを分けています。
来店が難しい距離のお客様に表参道のイベントをお知らせしてもノイズになってしまう可能性が高いので、直営店(表参道showroom)に関するお知らせは、同店舗での購入履歴がある方のみにお送りするようにしています。
新商品が出た時のアナウンスは友だち全員にお送りしますが、過去に同じシリーズを購入したことがあるお客様には、少し間をあけて2回お送りすることもあります。
実際にLINE配信を試してみるまではメッセージ経由の購入が多いと思っていたのですが、実際はリッチメニュー経由の購入が最も多いです。2023年5月の実績では、LINE経由売上の7割がリッチメニューからでした。新商品のメッセージが来たタイミングで、タップしやすいリッチメニューから購入するというケースが多いようです。
リッチメニューも「CRM PLUS on LINE」を使ってタブ型にしており、LINEを入り口にECサイトの様々なコンテンツにアクセスしやすいよう工夫しています。
「Shopify Flow」は便利ですね。一度配信ワークフローを組んでおけば、その後のメンテナンスは最小限で済みます。「CRM PLUS on LINE」と「Shopify Flow」の機能連携もされているので、LINE連携者に向けた自動配信(購入・発送通知など)の設定もスムーズでした。
ShopifyベーシックからShopifyスタンダードへのアップグレードだったので、月額💲44増加しましたが、「Shopify Flow」を使えるだけで十分コストパフォーマンスが良いと感じています。リスク注文の通知や入金の通知、タグの付与の自動化など、LINE配信以外でも様々なところでShopify Flowを活用しています。正直Shopifyベーシックプランでもなんとかなっていたのですが、アプリ導入をきっかけにアップグレードしてよかったです。
ギフトとして購入いただくことが多いので、eギフト(相手の住所を知らなくても贈れる・受け取り手が配送日時を選べるなどの特徴があるギフトサービス)の導入を検討しています。eギフトの導入と併せて、ギフト体験を良くする施策にも取り組んでいきたいです。
※この記事の内容は、2023年6月に実施したインタビューに基づいて作成しました。
※記事の内容は掲載時点のものです。
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