2023-10-12
LINE経由売上向上
LINE連携Shopifyアプリ「CRM PLUS on LINE」導入事例インタビュー
nairo department オンラインストア|gf.X株式会社
インタビュイー
gf.X株式会社 代表取締役社長 杉山 太士 様
nairoでは2022年3月にLINE公式アカウントを新規開設し、同時に「CRM PLUS on LINE」も導入いただきました。LINE活用開始から1年半が経ち、どのようにLINE公式アカウントを育ててきたのか、費用対効果はどうやって上げているのかなどをインタビューしました。
1年半前は「Instagram以外でも顧客接点を」とLINE活用を開始したのですが、今は「ユーザーさんにとって最も最適化された情報が配信されている」場所になりました。特に「新作の販売情報や予約会※1 の情報をいち早くゲットしたい」という方が多く友だち追加してくれているので、数あるSNSの中でもLINEが最も購買に繋がりやすいと感じています。
※予約会:nairoの新商品は、予約会での受注生産が中心。予約会で注文した商品が1〜2ヶ月後に届く。
フォロワー数で比べるとInstagramが13万人、LINEが3万人なので変わらずInstagramの方が多いのですが、実際に買っていただける確率が高いのはLINEですね。Instagramでの発信は大多数に向けた発信になるので、投稿内容によってインプレッション数など各種数字に波があります。一方でLINEは配信したら開封率・反応率をある程度キープできてブレが出づらいです。そういう意味でも、LINEは今のnairoにとって必須のチャネルです。
配信費用対効果は総じて高いです。
CRM PLUS on LINEのアプリ利用料金とLINEのメッセージ配信料金に対する、LINE経由の売上で計算したROASは平均1000%以上で、良い時は4800%を超える時もあります。※2 特に費用対効果が高いのは、再入荷通知とチェックアウトリマインド(カゴ落ち)ですね。
※2 アプリ活用開始(2022年4月)〜取材時点(2023年8月)での実績。ROASとは、Return On Advertising Spendの頭文字をとった略語で、計算式は「売上÷広告費×100(%)」。かけた広告宣伝費に対してどれだけ売上が上がったかを測る指標。
ROASが1000%〜4800%と開きがあるのは、LINE配信時に実施している予約会の人気や商品単価の影響を受けるためです。LINE配信には通数課金(LINE公式アカウントの追加メッセージ料金)がかかるので、単価の高い商品が多く売れる時期ほどROASは上がります。
大きく分けると下記3点だと思います。
LINE活用開始から1年半で、友だち数は5倍、メッセージ配信数は16倍に、そしてLINE配信の費用対効果(ROAS)は安定して1000%以上になりました。友だち数が伸びてもLINEのID連携率は1年半前から微増(57%から60%へ)できていることが、成果の下支えになってくれていると思います。
具体例でいうと「友だち追加で◯%OFFクーポン」などの施策は行わないようにしています。
そもそもnairoは、大量廃棄などのアパレル業界が抱えている問題を回避するために、一部の品番を除いて極力在庫を持たず、予約会での受注生産をメインに運営してきたブランドです。アパレル業界の過度なクーポン・セール競争にも問題意識を持ってきました。
クーポンやセールが常態化すると、ブランドとしても定価で売るより利益が減りますし、ユーザーにとっても「自分が買った後で、安くなってるのを見てしまった」など、「なんとなく損した気持ち」になる体験が付随して生まれやすくなってしまいます。末長くnairoブランドを続けていくため、今後も一時的なクーポンやセールはやらないつもりです。
実際に購入してくださった方の目にとまるように導線を工夫しているのと、LINE連携しているファンの方向けの限定企画(LINE連携者限定での優先販売会など)を実施しています。それぞれ友だち追加だけを促すような案内ではなく、ID連携とセットで訴求しています。
購入完了後のサンクスページにLINE連携の導線を追加したり、LINE通知メッセージで購入・発送完了通知を送ったりしています。サンクスページはCRM PLUS on LINE導入当初(1年半前)から導線を設置しており、LINEを知らずに購入した方に確実にLINEを知ってもらう接点になっています。
LINE通知メッセージは、電話番号ベースで友だち以外にも送れるメッセージです。LINE通知メッセージもCRM PLUS on LINEの機能を使って配信しており、購入完了時と発送完了時にそれぞれ送っています。
通知メッセージを受け取った方の約30%(約3人に1人)が友だち追加しているようです。
nairoでは、「購入時点でLINEのID連携がされているかどうか」で購入完了通知を出しわけています。購入時点で連携されていない方にはLINE通知メッセージを、連携されている方にはカルーセル型のメッセージ(通知以外にも、納期の案内など追加コンテンツを添えているメッセージ)を送っています。
つまり、LINE通知メッセージを受け取った方は「商品を購入し、通知メッセージを受け取るまで、nairoのLINEを知らなかった または 知ってても友だち追加しなかった」方です。そうした前提もふまえて、通知メッセージを受け取った方の30%が友だち追加してくださっているのは嬉しいですね。「こんな便利な通知がLINEで届くんだ」と思ってもらうきっかけになっていると思います。
通知メッセージは友だち以外にも送れるというメリットがありますが、メッセージのフォーマットが決まっていて、趣向を凝らすことはできません。
そこで、購入時点でLINE連携されている方には発送通知のメッセージに加え、納期の案内(お届け予定の案内)やランキングページ、レビューまとめなどを添えたカルーセルタイプのメッセージをお送りしています。
購入から発送まで1〜2ヶ月あることもあり、納期の案内ページ(カルーセル2枚目)はよく見られているようです。こうした案内通知を開始してから、納期に関するお問い合わせはほぼ無くなったので、やはりLINEだと気づいてもらいやすいですね。
カルーセル3枚目以降は、2〜3週間ごとに中身を変えながら、どんなコンテンツが見られるか模索しています。例えば、ランキングはサイト上での人気コンテンツなのでLINEでも配信するようにしてみましたが、今の所(カルーセル3枚目以降では)一番よく見られています。
前章でもお話しした通り、LINE限定クーポンなど金銭的なインセンティブを付与する施策は行っていませんが、LINE連携者限定でのイベントは定期的に行っています。
特に反響があったのは、LINE連携者限定でのアクセサリー先行販売会です。nairoブランドとして初めてアクセサリーを販売するタイミングで、「LINE連携者の方は一足先に予約できます」というキャンペーンを実施しました。
このキャンペーンだけで売り切れそうな勢いで、改めてファンの方々がLINEでnairoの情報を追ってくださっていることを感じましたね。ただ、「LINE連携していなかったら買えない」という状態にはしたくないので、在庫の8割くらいをID連携者向けに販売して、残りは正式な販売会で購入できるようにしました。
キャンペーン開催の告知を前日夜9時にするか、当日のお昼(キャンペーン開催直前)にするかで反応を見比べていました。結果、キャンペーンの開始当日に送るより、前日夜9時に送った方が反応がよかったです。ファンの方々なので、前日夜からキャンペーン開始に向けて気持ちを高めていただいているのかな?と捉えています。
キャンペーンの告知メッセージも、ID連携されている方とまだの方でメッセージを出し分けています。こうしたキャンペーンをきっかけにID連携してくださる方もいますし、ID連携している方のクリック率は毎回とても高いです。
▼左:ID連携者向け(限定イベントの案内)、右:未連携者向け(イベントのお知らせと連携促進)
LINE連携者には下記のような配信を行っています。
お客様のECサイト上での行動(商品閲覧や購入)に連動した配信が中心なので、どれも反応率が高いです。特に売上に繋がっているのは「再入荷通知」と「チェックアウトリマインド」ですね。
再入荷通知もチェックアウトリマインドも、お客様が今気になっている商品に関連した配信を自動で行えるのが良いと感じています。自動配信なので、一度設定してしまえばその後のメンテナンスコストもかかりません。
閲覧商品のリマインド配信は、「商品を見ただけ(カゴには入れていない)」の方を対象にした配信ということもあり、配信経由の直接購入率は数%程度でした。チェックアウトリマインド配信と比較するとどうしても費用対効果が悪く見えて、一時期は停止していたのですが……閲覧商品リマインド配信を始めてからの方が、LINE公式アカウントのリッチメニュー経由のアクセスが増えていることに気づき、今は配信を復活させています。こちらも一度設定してしまえば自動配信されるので、運用コストは低いですね。
メッセージの成果は、メッセージ内の商品リンクにパラメータを付与してGoogle Anaryticsで計測していました。この計測方法だとメッセージのリンクを直接押した方のアクセスしか成果として観測できないのですが、CRM PLUS on LINEのダッシュボード機能追加で間接CVも計測できるようになった※ ので、直接CVと併せて成果を測定しています。
nairoは今、ブランドとして過渡期にあります。「nairo department」として、自社ブランド「nairo」だけでなく、様々なブランドを誘致したメディアプラットフォームとして進化していく予定です。店頭ポップアップなど、オフラインのイベントも強化していければと考えています。店頭で購入いただいたお客様へのLINEのご案内なども、今後取り組んでいきたいですね。
nairoで購入してくださる方との接点としてLINE活用も引き続き強化していくので、CRM PLUS on LINEの新機能が出たら、そちらもすぐに試していきたいです。
LINEの友だちはエンゲージメントが高いですし、CRM PLUS on LINEの機能はShopify Flowとの連携も含め自動配信系が充実しているので、「とにかくやってみる」姿勢が大事だと思います。実際売上にも繋がっていますしね。今後も費用対効果を見ながら、nairoブランドの拡大に合わせて、様々なLINE活用を試していきたいです。
※この記事の内容は、2023年8月に実施したインタビューに基づいて作成しました。
※記事の内容は掲載時点のものです。
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